しおのめも

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カラスの幼鳥にはようちょうい?

みなさんがよく見る鳥って何でしょうか?大阪の市街地に住んでいると、よく見る鳥というのはハト、カラス、スズメ、ヒヨドリ、ムクドリ…とかでしょうかね。もっと他にもいますが、その辺は野鳥の種類を知ってるか、知ってないかで認識が違ってきます。

 

今日は先日、カラスの幼鳥が家に不時着してしまった時のお話しです。

 

 

 第1章 カラスの幼鳥を見つけた

うちの近所に住むカラスは、よく鳴きます。「カァーカァーカァー」って。以前、電話で話しをしていた人に後日、「よく電話越しにカラスの鳴き声が聞こえてた」と言われたこともあります。

 

6月中旬のある日、朝に部屋で勉強をしていたら、カラスの鳴き声いつにも増してうるさいことがありました。窓の外を見てみると、近くのマンションの屋上にあるタンクの上と近くの電柱を行ったり来たりしながら「カァーカァーカァー」と鳴きまくるカラスの姿が。あまりにも何回も往復するもんだから、これは何かがその辺に落ちてるのかな?何かあるのかな?とちょっと気になりました。

 

それから2日後、「家の敷地に(たぶん)怪我をしたカラスが迷い込んでいる」と家族からの情報が。話しを詳しく聞くと、家とはなれと外壁の間の狭いスペースに飛べないカラスがいるのを見つけたということでした。

早速見に行ってみると、端っこにうずくまるカラス。逃げもしないので、本当に飛べなくてどうしようもなくなったのだと思われます。その日はもう陽が落ちて、暗くなっていたのでそのままに。

 

第2章 幼鳥のカラスを観察する

次の日、早朝からカラスを見に行ってみると、まだいました。ただ、弱っているわけではなくて、飛べはしないが動き回ることは出来る様子。昨日とは違う場所にいました。しばらく、家の2階の窓から様子を見てみると、上の方で2匹のカラスが「カァーカァー」と激しく鳴いていたので、どうやらこのカラスは幼鳥で、上で飛び回っているカラスは親鳥だということが推測されました。

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カラスの幼鳥

さらに、よくよくこのカラスを見てみるとくちばしのところら辺が幼鳥っぽさを残していたのと、全然鳴かないのです。時々、小さな声で「カッ」と鳴くくらいで、静かなもんでした。ネットでいろいろと調べてみると、どうやらこれは巣立ったばかりの幼鳥が何らかの理由で家の敷地内に舞い降りてしまったということのようでした。

 

しかし、困ったものでこの幼鳥のカラスは壁と建物との間の狭いスペースにいるので、飛べないと自力での脱出はできません。尾羽のところらへんが素人目に見て変に曲がっていて、羽ばたく様子も見られません。かといって、このままここにいてもらうのも困ります。なぜなら壁を隔ててすぐにある道を人が通ると攻撃される恐れがあるからです。

 

第3章 幼鳥のカラスをどうにかする方法を考える

カラスは鳥獣保護管理法という法律によって許可なく捕獲したり、処分することが禁じられています。元公園の人として、この辺の事は何となく知っていました。なぜなら公園には時々「弱っている野鳥が園内にいるから助けてあげてほしい」とか、いうような問い合わせがやってくるからです。

そして、野鳥のヒナは基本、拾ってはいけません。放置です。参考に日本野鳥の会のホームページのリンクを貼っておきます。

www.wbsj.org

 

しかし、放置とは行っても飛べない幼鳥のカラスを放置しておくわけいはいかず、そしてここで死なれても困るというか、何か嫌だ!ということで、次は保護ということを考えました。

そこで、まずは自分の住む自治体のホームページを見てみました。 大阪府のホームページにはこのように書かれています。

生物多様性の保全の観点からも、傷ついた野生鳥獣を見つけた場合は、原則そのままそっとしておいてください。

大阪府のHPより

大阪府/野生鳥獣は自然のままに(傷ついた野生鳥獣を見かけたら)

しかし、保護をしてもその後どうする?ということを考えますよね。街中でほったらかすのは難しい。なぜなら自分はほったらかしたつもりでも、目に付けば、また違う人が同じようなことを考えたり、ほったらかせない人が出てくるからです。それで、次のような選択肢を考えてみました。

  1. 家で一時的に保護をして、元気になったら野に放す
    カラスは狩猟期間外に捕獲するのは、鳥獣保護管理法によって禁止されています。今回は怪我をしている鳥を保護するのが目的ですので、可能じゃないかという解釈です。そして、飛べるようになったら野に放します。

    しかし、野鳥を含む野生動物はどのような病原体を持っているか不明です。慎重に扱う必要があります。また、野鳥を一時的とはいえ飼育するのはなかなか難しそうです。

  2. 自治体に電話してみる
    同じような状況はきっとどこかでもおこっているはず!そして、困ったことは地元の自治体に電話がいっているはずなので、対応方法を教えてもらえるはず!ということです。

1番の選択肢はちょっとハードルが高そうだったので、結局、地元の自治体に相談してみることにしました。

 

第4章 自治体に電話、そして別れ

 地元の自治体に電話をしてみました。

「保護はできないので、基本的にはほったらかしといてもらうのが良いんですけど…」という言葉が帰ってきました。しかし、ケガをしていて家の敷地から勝手に出ていくことも考えにくい、たとえ外に出せても街中すぎて、自然にほったらかせるような場所がないということを相談すると、「様子を見に行きます」とのことでした。

 

そして、わざわ足を運んでいただいて、様子を見ていただき、保護していただきました。本当に市民と接する自治体の職員の皆さんには頭が上がりません。

その後のカラスの行方ですが、近くの自然がたくさんある河川敷に放すということでした。自然の摂理から考えると、これが一番最適解かな?と思います。例え、保護をして元気になっても、ゴミを荒らすなど、人間との衝突が社会の問題にもなっている身近な野生動物でもあるので、おいそれを野に放つというのは、気持ち的になかなか難しいところです。

 

あとがき

今回のカラスの幼鳥の不時着を通して、今カラスが子育て中の時期であること、そして、最近すごくうるさく鳴いているのは、幼鳥が巣立ちの時期を迎えていることがわかりました。

よく耳を澄ましてみると、たどたどしい声で「カァカァ」と鳴いているカラスがいれば、それはきっと巣立ったばかりのカラスです。そんな鳴き声が聞こえてきたので、窓の外から覗いてみると、くちばしあたりに幼鳥さを残したカラスを見かけました。きっとうちに不時着してしまったカラスの兄弟かな?ちょっと心のなかでごめんよーと謝りました。

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カラスの幼鳥

カラスの幼鳥不時着の件はこれで一件落着か!と思いきや、困ったことが起こりました。それは「親ガラスに目をつけられた!」です。おそらく幼鳥に近づく姿を見られていたのでしょう。外に出ると、時々威嚇をしながら追いかけられるようになりました。いや、本当にカラスは頭がいい、そして愛情深いなぁなんて思いながらこちらも襲われたら困るのでやや必死です。

ただ、カラスも鳥なので、敵を知れば怖くない。こういう時は相手から目をそらさない、まじで低空飛行してきたら手を挙げる!(羽に手が当たるのを嫌がるそう)これでOKです。早く私のことは忘れておくれ~!

 

おしまい。